道具について


だいたい柔毫(柔らかい筆)、硬毫(固い筆)、
兼毫(両方の混ざった筆)と三種類が有ります。

柔毫筆は主に羊毫で作られるまた鳥類の毛も用いられる、
性質は柔らかく含水性が強い。
よく見かける筆では”加料条幅””大鶴頸””玉蘭芯””染筆””大鵞””純羊毫提筆”などが有る。

硬毫筆の主は狼毫(中国産イタチ毛)が用いられ また穴熊、貂(テン)、鼠、
或は豚(頸部のやや長めの硬毛ブラシを作るのに用いる)などを用いた筆も有る。
性質は剛直で気質が丈夫である。
よく使われるのに、”小紅毛””衣紋筆””叶筋筆””書画筆””蘭竹””小精工””山水”
”狼毫提筆””山馬筆”などがある。

兼毫は羊毫と狼毫との配合また羊毫兔毫の配合で作られる。
性質は剛と柔の中間で”白雲筆””七紫三羊””五紫五羊”などが有る。

私は主に純羊毛の羊毫を使います。



墨には主に「油煙墨」と「松煙墨」の二種類ある
いわゆる「油煙墨」は桐油、菜種油、麻子油などを焼いてできた煤から製成される。
「油煙墨」の墨色は光沢があり作画に適している。
「松煙墨」は松の枝だを焼いた煤から製成される。
墨は黒く光沢は無い書に適している。
どちらでもあまり安物で無かったら可とします。
「油煙墨」は茶色系統で、「松煙墨」は青系統です。

私はどちらかと言うと黒がしっかりでるので
油煙墨をよく使います。

墨を磨る際の注意として(一)軽、(二)慢、(三)正、の三っつがあげれれます。

墨汁でも作品用とあれば問題なく
書道用か水墨画用とかのくべつも気にしなくて良い
墨の黒さがきっちり出る墨が作画しやすい。

黒の色が気にいって今よく使ってる墨汁は
「水墨画用 墨の精 NO.34 (赤茶系の黒)」という墨汁です。
膠が天然なので、硯でも普通に使えるので便利です。




硯の材料は日本産(和硯)雨端石 玄昌石 高島石など
中国産(唐硯) 端渓石 歙州石など有名。
なるべく大きくて墨池の深いのが良いです、蓋が有ると墨汁がすぐには乾かないので良いです。
画に使うのは収蔵するためのと違い、あまりうるさいことは言わないです。


用紙
日本産と中国産とあります
やはり手漉きがいいです。
手漉きの紙は紙の繊維がしっかりしていて、強いです。
すいてから数年寝かします、乾燥した季節 湿気の多い季節を繰り返すことによって、
繊維が練られて滲みも落ち着きます。
ドーサを引いて無い生の紙を「生紙」と言います、
墨をおくと滲むので 水の分量と筆の速度に注意する、写意画にむいています。
ドーサ引き(滲まないようにドーサを表面に塗ること)している紙を「熟紙」と言います、
滲みが無く工筆画にむいている。

具体的に私が使ってる紙は、「宣紙」で
中国安徽省産の紅陽牌(ブランド)の「綿料重単宣」です、
サイズは4尺全紙又は4尺半切をよく使います。


顔料
大きく「鉱物性」と「植物性」に分けられる。
鉱石から制成された色は 色彩が重厚で不透明性が強い
石緑 石青 朱砂 朱飄 赭石 白粉 がある。
植物性顔料は透明で色が薄い、
花青 藤黄 臙脂 などがある。

チューブ入りの日本画練り絵具を使ってます。
始めは12色入りの顔料を買うとよいと思います。


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(c)Nagao Masahiro