水墨画の勉強の仕方の流れと考え方
===模写
はじめに水墨画を勉強しようと思ったら、まず模写から始めます。
模写でなにを学ぶか言うと 道具(筆、墨、紙など)の使い方です。
私はよく水墨画を音楽に例えるのですが、音楽もまず
楽器を使いこなせないとお話になりません、それと同じで
水墨画も筆、墨、など自分の思い通りにあつかえないと、
自分の感じたことを画面にあらわすことが難しいです。
自分の中にある言葉では表しきれない物を、表そうとするので
どうしたら自分の感じたイメージを人に伝えられるかというのが
絵を描くときの苦労の1つです。
”模写は技法を学ぶ” というふうに考えてほしいです。
===スケッチ(取材)
自分の描きたいものを取材しないといけない。頭の中で思い付くイメージは
それまでの経験で蓄積されたものですが、目的意識がないと漠然とした記憶だと思います
それらの記憶を きっちり形にするのは難しいです。
たとえば スズメの顔の模様などは、スズメ自体はよく見てるはずですが覚えてる人は、あまりいません。
見る側は「いい感じ悪い感じ」というように感覚で鑑賞するのでいいですが、作る側はちゃんと調べないといけません。
「カボチャの花の花びらは何枚あったっけ?」てなことは、取材して確認します。
===創作
創作とは、自分が感じてることを作品として形に表すことだと思います。
まず何を描きたいか? 描きたい花があったとしても、その花を自分はどのように感じて
絵にしたいと思ったか、をちょっと意識します。
可愛いと感じたか、力強いと感じたか、美しいと感じたか、懐かしいと感じたか
いろいろあると思います。
「仕事で一日中事務机に向かって、なんかくたくたに疲れた日の帰り道、
夕焼とともに見かけた夏のひまわりの花の周りに漂ってた空気」とか 、
「力なく晴れた寒ーい冬の空の下で、可愛いのに頑張ってたくさん仲良さそうに咲いてる
水仙の花を道の脇で見かけて、誰が育てよんやろうとしみじみ思ったときの気持ち」など 、
文章にすると長くなり まどろっこしい感じがしますが。(これはこれで面白いとも言えますが)
何を絵にしたいか、あるていどイメージをきっちりまとめないと、絵が混乱してしまいます。
人の思いは、刻々と変わって矛盾も含み難しいので、それを形にして絵として刻む場合
絵にしようと思ったときの自分の気持ちをきっちり、固定させたほうが人に伝えやすくなります。
(刻々と変わるぐちゃぐちゃな気持ちを伝えたいなら、それはそれでまた方法は変わってくる)
そういったいろいろな思いを、自分が持ってる技術で効果的に表現できるように
考えて作っていきます。